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広田 耕一; 箱田 照幸; 新井 英彦; 橋本 昭司
Radiation Physics and Chemistry, 57(1), p.63 - 73, 2000/01
被引用回数:35 パーセンタイル:88.42(Chemistry, Physical)初期濃度およそ20ppmの空気中クロルベンゼンに対して、4,8kGy及び4kGyにアンモニアを加えた場合の3種類について、塩素と炭素のマスバランスを調べた。その結果、4kGy照射により、除去されたクロルベンゼンのおよそ65%が脱塩素化していることがわかった。この値は8kGyでもほぼ同じとなった。アンモニアを加えることにより脱塩素化は促進され、およそ80%となった。また、クロルベンゼン分解により生成したガス状の物質を分析した結果、ギ酸と無機炭素の量が全ガス状物質のおよそ70%を占めることがわかった。さらに、FTIR等による分析により、ガス状物質の生成には脂肪族系酸化物が、エアロゾルの生成には有機窒素酸化物がそれぞれ関与していることがわかった。
矢幡 胤昭*; 木原 伸二; 大内 操
JAERI-Research 96-035, 24 Pages, 1996/06
トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の有機塩素化合物と鉄、アルミニウム粉末または酸化カルシウムとの反応による脱塩素化を試みた。反応の進行状況は質量分析計を用いて有機塩素化合物の濃度変化より調べた。トリクロロエチレンと鉄粉末との反応をAr中350~440Cで行った。380Cで反応は急速に進行し約100分間の接触反応で99.5%以上が分解し塩化鉄と炭素が生成した。ジクロロメタンを380~440Cで鉄粉末と反応させると塩化鉄、炭素及び水素が生成した。反応過程でメチル基、メタンが検出された。アルミニウムとは380~440Cで反応が十分進行しなかった。トリクロロエチレンと酸化カルシウムの反応をアルゴン及び空気中で行った。いずれも塩化カルシウムが生成するが、空気雰囲気ではCO、COが生成し、アルゴン中では炭素が遊離する。
宮田 定次郎; 作本 彰久
日本化学会誌, 1987(9), p.1705 - 1711, 1987/09
環境汚染物質である有機塩素化合物の放射線による処理技術の開発の一環として、線を反応の開始手段に用いて、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムあるいはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドの存在する2-プロパノール(25vol%)水溶液中での四塩化炭素のラジカル連鎖機構による脱塩素反応について研究した。その結果、脱塩素反応はCMC以上の濃度の界面活性剤によって抑制されることを見出した。反応の速度論的検討から、反応を抑制する原因が、連鎖担体である・CClラジカルの界面活性剤ミセル,M,による取り組み、・CCl+MM・CCl、および連鎖停止反応、・CCl+M・CClMCCl、にあることが判明した。